虎印 黒船ノート20XX

「黒船ノート」は
1980年の17歳にとってのブログでした。
21世紀の40代も書いてみよう♪






徳無しじいさんの話
ちょっと前の話になってしまうが、G軍元監督・藤田元司氏の訃報があった。
スポーツニュースで原辰徳や宮本和知、中畑清が涙をこらえきれなかった様子を見て、長嶋・王というスター監督の後任で残した戦歴やリーダーとしてのエピソードなどを聞かずとも、すごい人だったんだなぁと改めて思った。

だいたい、男が恋愛と親族の死に目以外に「人目もはばからず泣く」ということは、よほどのことだと思っている。
たしか映画『鉄道員(ぽっぽや)』のメイキング特番だったと思うが、東映の撮影スタッフで「また健さんと一緒に仕事が出来てうれしい」と、号泣していたことがあった。
「お〜、やっぱ健さんってスゴイ人なんだ」と思ったものである。

で、なんでこんなことを言い出したかと言うと、こういう方々とは正反対の哀しい老人の話を聞いたからである。
若い頃は家族は二の次で遊びまわり、かなりのお殿様ぶりだったらしい。
想像するに、よくモノゴトを勝ち負けとか損得だけで勘定する人がいるが、この人はきっとそういう人だったと思う。
そして、家族や友人と“分かち合う”ということがニガテな人だったんだろう。例えば食べ物とか例えば楽しいことなどを。

で、そういう人の行く末はというと、女房に先立たれた後、長男家族と同居していたが、やや認知症気味に加えてその性格の悪さによりやがて追い出され(息子より嫁の方が強いらしい)、単身赴任の次男を頼ることになった。
次男の嫁が時々世話をしに行っても、可愛げの無さにうんざりするらしい。
例えば寿司を食べたいとなったら、自分1人の分とお茶1本を買って来て、次男や嫁に「食べるかい?」の言葉も無く、1人で食べているそうだ。
ある時は夕飯の時間になかなか帰って来ず、家族が心配して待っていると「飯は食って来た」とけろっと帰ってくるらしい。次男に叱られても「何が悪い!」。そして「親にむかってその口の利き方はなんだ!?」「親らしいことをしたことがあるのか!?」と、最後はいつも喧嘩に。
そしてフラリと出かけては、マッサージ屋で足のマッサージをしてもらい、どれだけ良い扱いをされたかをのたまうそうだ。嫁いわく、
「商売なんだから当たり前じゃん!」怒りマーク

ある時、たまには実家(長男在住)に帰ろうと次男が連れて帰ると、すでに父親の部屋は子ども部屋になっていたそうだ。
そして近くにはその父親の兄弟も何人かいるらしいが「ウチに泊まっていけ」と申し出る者もないそうだ。
ここまで来て、わが身を振り返って生き方を改める…なんてことは、まず無いもんね。
自業自得とはまさにコレですな。寂しいじいさんである。

まぁ、そんな話を聞いて「男の生き様」と言っては大げさだけど、藤田元監督や高倉健の話を思い出してしまったというワケです。
ベタな言い方だが、人生、勝ったり得したりばかりではない。
見返りを求めず、あえて負けたり損したりを選ぶ場合もあろう。
そんな時、日本語には己を納得させるイイ言葉がありますな。
「徳を積む」ってね。
そのじいさんも知らなかったはずはなかっただろうに。
書いた人 SUE | 今日のあれこれ | comments(2) | trackbacks(0) |



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