変なことがありました。
会社帰りに最寄の駅まで歩いていると、
駅前のバス停で、声をかけられました。
蚊の鳴くような、というほどでもないが、
決して腹からは出ていない…そんな声で
「100円ください」
…はぁ???
「バスに乗りたいので100円ください」
…小学2年〜3年ってとこかなぁ? Tシャツにバミューダ、サンダル履きの男の子。
…お!なんだ!?人差し指で私の斜め掛けバッグをひっぱろうとする仕種は!
きみ、100円くださいって言われても、そう簡単にはあげられないよ。
迷子になったの? それとも家出してきたの?
「迷子じゃないよ。家出じゃないよ」
…家出かって聞かれて“はい、そうです”とは言わんよね。
おうちはどこなの?
「タケバシ
(と聞こえた)。バスで帰るの」
…タケバシってどこよ。竹橋? 毎日新聞社んとこ? 遠いじゃん。
それなら駅の向こう側に交番があるから、
おまわりさんにワケを話して、100円借りなさい。
行きづらかったら、一緒について行ってあげるから。
「もういいです。ありがとうございました」
…ヘンなガキ〜!
しかし物騒なご時世。私は交番に行き、
「バス停にヘンな子がいて…」と話した。
警官によると、陰で大人が糸をひいてるケースもあるという。
結局、警官の1人と私とで、バス停まで戻ってみることになった。
もう逃げたかな…と思ってたら、まだバス停にいた!
近づいたら、なんと100円玉を1枚手に持っており、
同じベンチに座ってた60がらみのおばさんに説得されていた。
「あんた、その100円で上野松坂屋まで行っても、
もう100円無いと帰って来れないんだよ」
どうやらそのおばさんには“上野松坂屋に行きたい”と言ったらしい。
100円上げたのがその人かどうかはわからないが。
ちなみにそのガキ…もとい…少年は、警官に100円玉の出所を聞かれたら
「ぼくがおうちから持ってきたんだよ」
ウソつけ〜!
こうしてガキ…もとい…少年は、
無事、警官に保護されたのでありました。
帰宅して、愚弟にこの話をしたら
「よかったねぇ。
おまえだけに見える子供
じゃなくて」
ひぇ〜!
そそそそりゃヨカッタさぁぁぁ〜