Ｉちゃんは20年ぐらい前からの飲み仲間である。
溜まり場だった店が閉店してからは年賀状だけのつきあいになってしまったが、糖尿病になり目をやられたこと、手術が失敗してしまったことなどは風のウワサに聞いており、年賀状にも鍼灸の勉強を始めたことや国家試験を受けることが記してあった。
そのＩちゃんが結婚したという。
そこで溜まり場だった当時の店のマスターが企画し、店の同窓会を兼ねた宴会が行なわれた。
会場も、当時の仲間が経営する日本料理店だ。
父の葬儀に来てくれた以来だから、５年ぶり？ Ｉちゃんは痩せて少しハンサムになっていた。お嫁さんも化粧ッ気がなく可愛らしい人で、年もＩちゃんより一回りぐらい若い。もったいないカンジ！
目の不自由な２人は、鍼灸の学校で出会ったのだそうだ。
ひさびさに会った他のメンバーも、20年もたてば順風満帆な人ばかりではなかった。
脳出血の後遺症をひきずる私のようなのもいれば、再婚した人、未亡人、失業中…それでもここでこうしてまた顔を合わせることが出来て、本当によかったと思う。
Ｉちゃんも、目が不自由になったことを受け止めて、前向きに生きているとのことだ。
「だってさ〜 くよくよして後ろ向きになったってしょ〜がないじゃ〜ん！」と、相変わらずの甲高い声で言っていた。
こういうタイプにはシアワセの方から訪れてくるというものだ。
おめでとう
Ｉちゃん
主役の新婚さんたちは１次会で帰り、２次会はカラオケ、３次会も少数が残り、スナックでまた談笑となった。
私はこの日、倒れてから初めて歌った。
脳卒中で倒れた後、声も悪くなって歌えなくなって…という人の話を聞いていたので実はドキドキだったのだが、
歌えた〜
