昨日から右目が痛くてたまらなかった。
ものもらいかな…と思ったが、ちっとも腫れてこない。
10ヶ月もして後遺症があらわれることもあるまいが、右側だし、ヤなカンジと思っていた。
「ものもらい」は関西では「目ばちこ」というそうで、
正確には「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」である。
地方によっていろいろ呼び名が違うんだなぁと思っていたら、
ロート製薬の「
ものもらいMAP」というサイトを見つけた。
話のタネに
さて、今日になってようやく腫れてきた。ものもらいでも結膜炎のようなものでもたいてい市販の目薬で治してしまうのだが、後を引くといけないので、近所の眼科に行くことにした。
これがヒドイ眼科だった。
ビルの3Fにある小さな病院だ。
ドアを開けると、受付らしい女性(以下、受付)がこちらを見ている。
え?「こんにちは」は?
「今日はじめてなんですが」
そう言うと、われに帰ったらしい受付は愛想よく問診表を書くようにと渡してきた。
今日はどのような状態ですか…
コンタクトレンズをしたことがありますか…
なにか飲んでいる薬はありますか…
右目が痛くて腫れているのでものもらいではないかと思うこと、コンタクトレンズはCというメーカーの1日交換のものを月に1〜2度使用していること、脳動静脈奇形の切除手術をしたのでAという抗けいれん薬を常用していることなどを書き込み、順番を待っていた。
診察開始時刻の10分過ぎ頃に行ったのだが、患者がすでに2〜3組いた。
名前を呼ばれたので検査室に入った。
検査技師の指示に従い、器械にアゴを乗せて覗き込むと、果てない一本道の先に気球が浮かんでいる。見ているとこれのピントを緩めたりシャープにしたりしてるのだが、何の検査だろう。
あれれ?両目ともあまりピントが合ってない状態で終わったけど、いいのかしら…。
検査技師は50代後半とおぼしきおばちゃん。風貌に清潔感がなく、動作にも言葉にもテキパキ感が皆無…ちょうど「中井正広のブラックバラエティ」に出てくる“かずえ”みたいな喋り方なのだ。
患者としては、悪いけど信頼感が持ち難い…
…しかし後に“悪いけど”と思った気持ちを悔やむことになる…
その後、おなじみの視力検査を終えると、かずえは「相当、目、悪いね」と一言。
そして診察の順番が来るまで検査室の椅子に座って待つように促されるが、ここでかずえの口の中から
カラン コロン
という音が聞こえる…かずえは飴をなめていたのであった
ヘンな患者もいた。小学低学年ぐらいと中学生ぐらいの男の子たちを連れた母親がいて、患者は小学生の子のようだが、椅子2つしかない(1つは私が座っている)検査室に3人揃って入ってきたのだ。お兄ちゃんは待合室で待つように言いなさいよ…
しかもその小学生がすごく具合が悪そうだ。目をつぶってウンウンうなっている。この病院は常連のようで、かずえとの話を聞くとも無く聞いていたら、熱があるらしい。それほど苦しむ息子を眼科に連れてきたのはなぜ???
さて、私の診察の番になった。60代後半ぐらいの女の先生。
ものもらいで受診したい旨は問診表に書いたのだが、
「かなり目悪いねぇ。あなたみたいに目の悪い人はコンタクトレンズにした方がスッキリ見えるわよ〜」
「以前はコンタクトにしてたんですが、問診表にも書きましたように脳出血の後遺症で右手が、動きはするんですがちょっと不自由になりまして。それで朝、コンタクトを入れるにも時間がかかりますので、メガネにしています」
「あぁ、それでCの1日交換のを時々ね… ねぇ、Bの2週間タイプのにしたらどぅお? とっても着けやすいのが発売されたのよ」
Cというメーカーは、この病院の取引相手ではないようだ。
私はコンタクトレンズとはおよそ四半世紀つきあっている。2週間タイプの方が厚みがあるので着けやすいだろうな、とも思う。
しかし、ものもらいの受診に来ているのだ。
「いずれにせよ朝の忙しいときにレンズを着ける時間を使いたくないんですよ。だから休みの日に出かける時だけは時間にとらわれないから、使う事があるんです」
「うーん、でも障害とコンタクトは関係ないと思うんだけどねぇ」
…なに言ってんだ、あんた。
…そんなにコンタクトレンズを売りたいか?
…コンタクトレンズを売るとそんなに儲かるのか?
レンズを売ることをあきらめたらしく洗眼などを始めた医者は、私の「ものもらいだと思うんですけど」の言葉に「う〜ん。そうですね〜」と、これだけ。
やがて不愉快になったことを察したのか、今度は励ましにかかった。
「あなたまだ若いんだから、きっとよくなるわよ。リハビリなんかもしてるんでしょ?」
「はぁ」
「朝のドラマでも、ほら、事故で仕事が出来なくなった主人公が、また頑張ってバネを作れるようになって…知らない?」
「わからないです」
「私、あれいつも仕度しながら見てるのよねぇ」
語気が強まり、
「あなたも、頑張って! あきらめちゃだめよ!!」
あのさー 誰も先生に人生相談してないって。
初対面の人間に「あきらめるな」なんてよく言えたもんだ
診察室を出て待合室へ行くと、かずえが、さすがに座ってはいなかったが、患者と一緒にテレビで高校野球を見ていた。
「これが始まると“夏が来た”ってカンジ、するのよね〜」
その光景を見て、私は頭がクラクラして来た
狭い病院に医者1人、受付1人、検査技師2人で1人がかずえ…
この規模で技師2人はいらないだろう。そもそも技師なのか?
親戚か何かかしら
会計は2,290円。え?保険でこんなにするの?
そうか、初診で検眼とかしたから…もう2度と来ないのに
こういうのボロ儲けっていうんだろうな。
ウチの周辺で他の眼科に行こうと思ったら、徒歩20分あるいはバスや地下鉄で1駅行かなければならない。
それでも次回は、また初診料だの検眼料だの余計なお金がかかっても、ぜったい別の病院に行く!
さて、目薬と飲み薬を処方されたので、最寄の薬局へ行った。
飲み薬は抗生物質で、医者が「(ものもらいが)大きいようだから、ちょっと強い薬じゃないと」と言うので、念のため「(問診表に書いた)Aと一緒に飲んでも大丈夫でしょうか」と聞いたら「だいじょうぶだいじょうぶ」と言ったものだ。
にもかかわらず薬局で「SUEさんはお薬変えますので、少々お待ち下さい」と。
医者が処方した強い薬は、薬剤師いわく“決して飲み合わせが悪いわけではないが”Aを飲んでいるなら“念のため”使わない方がよいらしい。そこで医者に電話して許可を取り、より安全な(つまり弱いということだろう)薬に変えたとのことだった。
なんだか驚くやら腹立たしいやら。
かなり消耗した土曜の午前中だった